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ファッション通販の収益拡大につなげたい

いくつかのデータ項目について桁数が不足し、プログラムの組直しが必要であるとSE、プログラマは認識していた。
ソフトウェアの変更が困難になっているので、桁数を増やすついでにすっきりした構造にシステム全体を再構築することが極めて望ましい。 しかし、再構築のための費用と労力を投入するにはいささかためらわざるをえない。
単なる再構築では経営にプラスするものが少なく、投資と労力が報われない恐れがある。 このような状況の中で情報システムの再構築の期限が迫ってきた。
2000年問題である。 日付の年を表すデータ項目が2桁になっており、2000年にはゼロになるため、コンピュータが誤動作するこれを4桁に拡張すれば解決するが、システム全体を見直す手間が大変である。
どうせシステム全体を見直すなら、前記の問題とまとめて一括して解決するほうがよい。 ERPパッケージ導入の決定と業務改革活動の発足大手ソフトウェア・ハウスから提案があり、ERPパッケージを導入してシステムを新たに構築し直すことになった。
B社の業務方法が古くなっており、他社より遅れていると考えていた経営者が提案を受け入れ、業務改革とパッケージ導入を連動させる全社活動を春に発足させたとのことである。 すでにERPパッケージについて知っている方が少なくないであろう。
これは製造業のビジネスに必要な諸資源を計画的に供給する仕組みを持った統合業務パッケージである。 組立製品を扱っているB社にとって、部品や材料の必要量を計算し、在庫量を見込んで調達する「MRPシステム(MaterialsRequirementsPlanningSystem)」の周りに生産資源能力計画、人事・給与や経理・会計、受注管理、顧客管理などの機能が追加された「統合業務パッケージ」は再構築の構想にぴったり合っているように思われた。
ERPパッケージに関して新鮮な改革の着想が得られた。 部分的な改革でなく、情報システム全体を一気にパッケージに置き換えることができる。
これまで停滞していた業務改革を、この道具を前提に力強く推進できそうである。 アプリケーションソフトウェアを商品化し、販売する企業主たる収入はパッケージ販売料金(使用許諾料)である。

「パッケージに合わせて業務を改革せよ」とユーザ企業のトップに向かって主張するパッケージを顧客に持ち込み、サービス(パラメータ設定、チューニングあるいはカスタマイズなど)して顧客が使用できるようにする企業主たる収入はサービス料金である。 パッケージの機能不足や結果には責任を負わない、パッケージが動けば任務終了と考えている。
また、 「業務改革はユーザ部門の責任である」とトップに主張する。 パッケージに合わせて業務を改革するかどうか決定する。
パッケージ導入成功の鍵はトップが握っていると言われているが実際には情報不足のため、細部は誰かに任せるしかない。 パッケージを利用して業務を遂行する。
業務の成功とパッケージの活用の両面で責任を負う。 パッケージ導入に当たって選択、導入推進、パッケージ外の機能の外付けなど、地味な役割を担当する。
導入に成功した後、しばしばアウトソーシングの対象となる業務改革案作りを支援する。 しかし、その実行に関しては導入業者にまかせるしかない。
パッケージ導入の前提として利用部門が主体性を持って業務改革に取り組むことが肝要であると導入業者は念を押している。 さらに、従来の業務方法に固執するのでなく、「パッケージに合わせて業務を改革する」ことがパッケージの活用のコツであるという話もトップを喜ばせた。
業務改革案作りに悩まなくても、パッケージから知識を学び、それを活用する方策を考えればよいことになる。 業務改革に当たって導入業者のほかに外部コンサルタントも参加し、優れた業務知識を導入することにすると、細かな社内事情に束縛されず、短期間で結果が出るであろう。
しかもその改革はパッケージが前提になっているので、大局的な食い違いが起きるはずがない等々・情報システム部門の働き方も変化しそうである。 従来の受け身の働き方に比べると、情報システム部門は積極的に改革をリードする立場を獲得できるに違いない。

業務改革活動の発足にあたって、パッケージ導入業者が各改革チームに参加し活動を推進した情報システム部門側からも1、2名が参加し、パッケージの外側の部分について対応する体制を組んだ。 しかし、あくまでも業務改革が中心課題であり、利用者が責任を持つことが重要と考えられていた。
経理・会計グループは意欲的に取り組み、模範となっていた。 このチームは計数的な改革目標を設定し、他の改革チームに対しても重要な改革課題をいくつも指摘し、業務改革の刺激剤となった。
パッケージを選ばなかったC社この頃、コンサルタントは別の電子部品メーカ「C社」の意思決定が遅いのでいらいらしていた。 C社はB社よりも半年ほど前から業務改革活動を開始していた。
部長クラス約10名が集まり、ビジネス全体の動向を見定めて、業務改革案の大枠を作った。 全体を一気に改革するのは体力的に無理と考え、比較的小さな、しかし重要な課題を取り上げ、利用者中心の「受注管理ワーキング・グループ」を発足させ、業務内容の詳細化と情報システム設計を行なった。
パッケージでは自分達の業務改革案が実現できないと考えて、独自開発を選んだが、ソフトウェア開発の発注先の選択に長い時間を掛けていた。 「これではB社のほうが早くシステム構築できるに違いない」とコンサルタントは思った。
パッケージがあれば、ソフトウェア開発するよりも実現までの期間が短くなる可能性が高い。 最初のソフトウェア開発を受託した企業は「ソフトウェア開発環境」を引き続き利用できるので、その後の開発を受注できる可能性が高い。
取引関係が絡んでソフトウェア・ハウスの選択には予想外の時間が掛かっていた。 パッケージを導入する方が早いとの声が社内の有力者からあったが、C社の情報システム部門長は独自路線を変えなかった。
パッケージを理解するためにビジネス・モデルを描く生産システム・チームビジネス・モデルを描き始めて感じたことであるが、B社の人達は業務に熱心であり、業務改革活動に活気がある。 業務改革だけでなく、新しい情報技術についても積極的に吸収する意欲があり、コンサルタントは十分な手応えを感じた。
B社の製品の品種はむしろ少ないほうである。 しかし、細かい仕様が多く、組み合わせると驚くほど多品種に分かれる。

したがって、一つの製品コード当たりの生産量はあまり多くない。 そのため需要予測が当たりにくく、在庫が多めになっていると考える人が多い。
それにもかかわらず、顧客の求める仕様の製品が品切れになることがあり、競合他社に比べて納期条件が悪い、と営業部門から不満がでている。 近年は製品仕様がますます多様化し、需要予測が困難になってきている。
また、部品の共通化が進んでいるが、仕様が多いため部品表が膨大になり、設計変更の徹底が困難になってきた。 市場は成熟しており、小口顧客の求める仕様の製品を2、3日のうちに納入できないと受注できないことが多い。

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